ゆ

ビッグ・フィッシュのゆのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.2
「人生は楽しく生きた方が良い」
ずっと敬遠していたホラ吹きの父親から、そんなメッセージを息子が最期に受け取る優しくて温かい物語。

誰からも好かれる人気者の父は、いつも息子におとぎ話を聞かせていた。母との出会い、友との出会い、巨人やサーカス、戦争など、まるで夢物語のような父の過去の話は、もちろん全てただの作り話。(ただし一部は現実であったことが最後に分かる)
息子はホラを吹き続ける父親のことが嫌だった。子供の頃は楽しく聞いていたけど、もう大人だ。おとぎ話を信じ、喜ぶ年じゃない。そんな折、余命僅かの父は「自分の死に方を教えてくれる魔女に出会った」というエピソードを語る。しかし父が見たという「死に方」だけは教えてくれないーー。

このあたりの伏線、そしてタイトルの意味が最後の最後に回収されるのだけど、この映画を最後まで観た時、父の温かさや息子、家族への愛、そして人生を楽しく生きろという壮大なメッセージを知ることになりつい目頭が熱くなる。ファンタジーと現実の話との切り替え方が絶妙で気持ちよく観ていられる作品。まるで絵本の読み聞かせを追っているかのような感じ

優しい気持ちになれるファンタジー物語(というよりおとぎ話?)と家族モノ好きな方は是非観て欲しい
ゆ