Goach

エンター・ザ・ボイドのGoachのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
4.3
こんなに最悪な映像体験ができる映画が他にあるのだろうか、、

新しい映像表現が詰まったクレイジーな作品。
東京に住む外人兄妹の孤独感・絶望感を、SFXを駆使し高度に現したサイケデリック作品。エロチックさや過激な描写が頻出する問題作でもある。

圧巻なのはオープニング映像。カニエ・ウエストなど数多くのアーティストがパクった最高に"アガる"クレジット。それだけでも必見。

ストーリーは、東京でドラッグディーラーをしているオスカーは、ストリッパーとして働く妹と共に暮らしている。売人仲間とクラブ「the void」に行き、警察に射殺されてしまう。オスカーの魂は、妹への強い愛のために地上にとどまり、東京の街を彷徨う、というもの。

主人公オスカーが感じている孤独感を、完全主観なカメラワークで表現していて、死後は空中からの映像や、ときおり人物に憑依したり体の中に入ったりと、普通じゃない視点での映像体験ができる。また、人が死ぬ瞬間や、ドラッグを吸った後にその人が感じるトリップ体験などなど、目を背けたくなるような描写をあえて写して、人間の死生観についてとことん向き合っている。

都心には「何でもあるという希望と、誰もが絶対的ではない絶望」という2つの側面がありますが、この作品では、東京のサイケ感と都心が持つ絶望感を、終始暗い雰囲気で表現しています。

おそらく、最低か最高かの評価しかつかない作品だと思います。過激な描写ばかりなので、基本的にオススメしません。