寿都

長い灰色の線の寿都のレビュー・感想・評価

長い灰色の線(1954年製作の映画)
4.5
マッカーサーも卒業した【ウエストポイント陸軍士官学校】で50年間勤務した、実在の人気者先生【マーティン・マー】の半生をタイロン・パワーが演じた、人情物語。コメディタッチ。

このマーティンマー、寅さんに似てる。
短気一本気で口の上手いハッタリ風来坊。そして誰よりも心暖かい男。
厳格さの権化である名門士官学校に、寅さんみたいな男がいるわけですから当然面白くなるわけです。変人の可愛い父親も出てきます。
寅さんパターンでモーリンオハラに一目惚れするのですがなんと恋が成就し、寅さんなのに最高の伴侶を得るのです。この夫婦がこれまた理想的な夫婦なのです。ラブラブです。結婚したくなります。ですが子供は死産、士官学校の若者達を我が子だと思って生きていこう…‼︎と決心したらしたで我が子達は戦死していく。葛藤に苛まれながらもウエストポイントで誇り高く生き、愛されるマーティンマー。

軍事を美化したくありませんが、戦争の裏でこんな人生があり、こんな愛すべき人達がいたんだとしみじみする名作映画でした。そしてアメリカが移民の国であることを実感できた。
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