Yukiko

長い灰色の線のYukikoのレビュー・感想・評価

長い灰色の線(1954年製作の映画)
4.1
2020年3月9日
『長い灰色の線』  1954年制作
監督、ジョン・フォード。
この監督さんの作品で『リバティ・バランスを射った男』
は良かった。

ニューヨーク州ウェスト・ポイント、陸軍士官学校。
50年間、体育教官として勤めたマーティ(タイロン・
パワー)に退職が勧告された。
行き場がなく、辞めたくないマーティは大統領に直訴する。
そして、自分の過去を大統領に語る。
1903年、マーティはウェスト・ポイントに給仕係として
採用されたが、2カ月で首になる。
新たに、兵に志願して勤務隊に配属される。
体育主任のハーマン・キーラー大尉から見込まれて手伝う
ようになる。
しかし、ボクシングは弱い、水泳は金づち……


「長い灰色の線」はグレーの制服を着た士官候補生の隊列、
軍隊の行進する姿を現わす。
その行進が、長く続く灰色の線に見えるという意味との
ことだ。

実話であり、ウェスト・ポイントの学校からは、
ダグラス・マッカーサー、ジョセフ・スティルウェル、
オマール・ブラッドレー、ジェームズ・ヴァン・フリート、
ジョージ・パットン、ドワイト・D・アイゼンハワー
などが卒業している。
(この項、Wikipediaから抜粋)
1911年~1915年にウェスト・ポイントに在籍した
アイゼンハワーの卒業式シーンが映画の中にある。

マーティとドットソン中将が面会した大統領は、この学校の
卒業生であった第34代米大統領、アイゼンハワー大統領
だった。

マーティの妻は、キーラー家の女中としてやってきた同郷
の娘メアリー・オドンネル(モーリン・オハラ)。
二人に赤ちゃんが生まれた時の、候補生達のお祝いの
シーンや、候補生達と祝うクリスマスのシーンはいいなぁ。

全編、あたたかい雰囲気が漂う。
アメリカの軍人学校のいいとこ取りのような気もする。
教師として生徒から慕われる、こうであったらなぁ~の
教師冥利に尽きるような映画。

軍人学校の映画では、多くの教官はとても厳しく、
ワンマンな風に描かれているが、こちらの教官は逆かも。
奥様に言葉でこき使われ、泳げなくて生徒から助けられ、
ボクシングで殴られて…
でも、そういう教官を小馬鹿にする人はいなくて、
むしろ、慕われている。
そういうマーティを上手に立てるのも士官学校の候補生
たる、人格者を育てるってことなのかな。
マーティと奥様は生徒の面倒見がとてもいいし。

あたたかみのあるいい映画(^^♪
Yukiko

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