Eryyy678

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲のEryyy678のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ポケモン世界の倫理とは何なのだろう。

科学者フジ博士は、死んだ娘のコピーを生存させるため、永遠の生命力を持つとされる伝説のポケモン、″ミュウ〟の遺伝子研究を目的に、その化石から″ミュウツー〟を誕生させる。研究所を破壊したミュウツーは、″コピー〟である自己の存在意義に苦しみ、果てはロケット団に利用され、戦いに駆り出される。やがて自分を利用する人間達に怒りを爆発させ、彼らへの復讐を決意する。

1990年代の作品だが、かなり時代を先取りしていたように思う。科学と倫理、クローンの存在意義、ポケモンの権利とは。

ミュウツーは高い知能を持っており、ポケモン世界の「現実」に疑問を投げかける。それは、ごく「正常」なことのように、私は思う。そして気付かされる。私達が普通のことのように思っていることが、実はある視点から見れば「異常」なことなのかもしれないということを。

フジ博士には願いがある。しかし願いはミュウツーを苦しめた。何が良くて何が悪いことなのか。倫理感とは大事なものだ。でなければ博士と同じように、誰かを苦しめてしまうだろう。そのことに気づかないうちに。
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