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木洩れ日の家でのcollinaのレビュー・感想・評価

木洩れ日の家で(2007年製作の映画)
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「そろそろ白黒つけなきゃね」
私の家は私の人生そのもの。だから、離れるわけにはいかなかったけれど。何もかもがつまった家と私の人生。私の家は受け継がれ、また家族が根をはり、新たな物語が生まれる。

気が強いけれど少しぼけてきたようなアニエラおばあさんと犬フィラデルフィアのコンビ、その家、土地を狙う息子や隣人、取り巻く近所の人々の話。ジャケットは見せかけで、全編白黒の、とても静かで、穏やかな作品。ダヌタ・シャフラルスカのしなやかな佇まい、フィラデルフィアの瞳。それが全てを物語る。

アニエラの毎日は隣人を双眼鏡でのぞき、犬が話し相手の日々。そんな彼女は、ふとした時に、何もかもが美しかったころに、とけてゆく。映像ではまさにとけるようで、美しい。

なんてことはない話だけれど、白黒で語る美しい1本。ブランコに乗るアニエラがいい。あと、フィラデルフィアの名演。賞をあげたい。

またみます。
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