ShinMakita

戦火の勇気のShinMakitaのレビュー・感想・評価

戦火の勇気(1996年製作の映画)
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☆最後の決闘裁判公開記念で、他SNSに書いたレビューを再録↓



湾岸戦争下、アルクーファンで戦車隊の指揮を執っていたサーリング中佐は、激戦の最中誤って味方の車両を誤射してしまった。しかし帰国後の審問では「責任なし」とされ、死んだ兵士の遺族に真実が伝えられることはなかった。良心の呵責に耐えるサーリングは次第に酒量を増やし、家族ともギクシャクし始める。
そんな彼に、新たな任務が与えられた。湾岸戦争に出征し、味方を助け勇敢に戦い命を落とした女性ヘリパイロット、ウォールデン大尉に関する調査だった。ウォールデンは初の女性名誉勲章授与候補に挙がっており、その死の真実をホワイトハウスに報告しなくてはならないのだ。早速、サーリングはウォールデンのヘリに乗っていたクルー・・・イラリオ、レイディ、モンフリーズらからインタビューを開始する。しかし皆が口にする「ウォールデン評」はことごとく食い違うものだった・・・


戦場で死んでいった兵士たちに対する最大のはなむけは、「真実」を伝えること。当たり前のようでいて、実際にはおざなりにされてきたこの事実を、エンターテイメントの形を借りて糾弾した傑作であります。勇敢に部下を指揮した優れた兵士だったのか、自分勝手な臆病者だったのか。本当のウォールデンの姿と衝撃の真実が明かされる(駄目押しで、アルクーファンでの「その後」も描かれる)ラストには目頭が熱くなりました。コメディエンヌのメグ・ライアンが兵士役、ということで観客受けが悪かったこの作品、ずいぶん過小評価されていると思います。ズウィック作品の1つとして再鑑賞すると、改めて彼の見事なヒロイズム演出に圧倒されます。デンゼルの説得力溢れる演技力に拍手!
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