しゅん

驟雨のしゅんのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
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観た後に岸田國士の原作確認したら夫、妻、妻の妹の三人の会話に終始する一幕ものの戯曲だったので、映画の内容の半分以上はオリジナルということになる(もしくは他の作品を繋ぎ合わせてる?)。結婚生活の閉塞感や失業、ご近所問題とどんどん出口なき状況になるのに喜劇調を崩さない成瀬のユーモアはやっぱり絶品。反復される新聞切り抜き、伝聞の話を夫批判にすりかえる原節子、佐野周二と小林義樹の動きのシンクロ、止まらない足の震え、そして紙風船。何の救いもないのに何故だか救われた気持ちになる。めんどくさい女を演じる原節子は新鮮だったな。
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