らんらん

驟雨のらんらんのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
4.5
「驟雨」ってのは通り雨とかにわか雨のことなんだって、見た後調べたけどなるほどです

あらすじ
結婚4年目の佐野周二と原節子であるが子供はなく2人っきりの暮らし
結婚4年も過ぎればお互い変に慣れちゃって悪いところばかりが目について、、、今なら世間でよく言う旦那が家にいないと気楽ってのもわかるわーなんてしみじみ

新婚旅行先から旦那の行動にキレて姪の香川京子が訪ねてきたり
お隣に越して来た小林桂樹&根岸明美夫婦、せちがらい町内のババア(長岡輝子、中北千枝子)たちとのご近所付き合い
旦那の同僚加東大介、堺左千夫らには良かれと思い愛想をふりまくも逆に叱られたり

そんなこともありながら何かといさかいが積み重なり、とうとう佐野は一人で田舎暮らしするから君は働くなり好きにすればいい、みたいな感じで2人は決裂してしまうのだが、、、

その翌朝には2人で紙風船の打ち合いをして遊んでいるのでした、チャンチャンってお話w

なんだそりゃってなるよねー、でもそんなもんだよねってのも凄いわかるし、それだけのお話なのに面白いの
この先旦那の仕事はどうなるの?2人の暮らしはどうなっちゃうの?とかも明確には描かれてないけどあのラストだけでなんかスッキリしちゃう
紙風船を打ち合いながらストレス発散、朝っぱらから元気だねー爽やかだねー
それにしても原節子が一発で返してるのに、佐野周二はなかなか前に飛ばせなくてあたふた何度も打ち返すってのは全部演技なのかな、確かに2人のキャラクター的にはいかにもな感じ、でも単純に佐野周二が下手なだけのアドリブにも見えるしー、やっぱり計算かなー深いですねー

そして原節子良かったなー
美人なのはもちろん、あんな何でもこなすいい奥さんうらやましいわー、結婚4年も経っていまだに雨が降ったら駅まで傘持って待っててくれるのよ!?欠点があるとするならちょっと根暗なとこぐらい?ひきこもりがちなんだけど、それは佐野周二がそう望んでるからでもあると思うなー
佐野周二もなんだかんだ原節子を愛してるのよね、外に働きに行かせたくないってのもそうだし、でも無愛想で不器用で、ってのもいかにも日本の男って感じでいいわー

まとめ
とにかくラストシーンが素晴らしかった!
それまでのシーンもユーモアたっぷりで楽しませてくれるし、先の予想のつかないドキドキ感、2人が決裂してどうなっちゃうの?ってハラハラさせたところでの紙風船
たったこれだけのことでなんか全てが解決させたように思えちゃうのが凄いわー
らんらん

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