ひろぽん

J・エドガーのひろぽんのレビュー・感想・評価

J・エドガー(2011年製作の映画)
2.8
初代FBI長官ジョン・エドガー・フーバーの生涯を描いた伝記映画。20代でFBI組織の長官となって以来、死ぬまでトップに君臨し続け、8人の歴代大統領さえ手出しできない強力な権力を築き上げていく一方、私生活ではごく一部の人間にしか心を許さず秘密主義を貫いた男の物語。イーストウッド監督特有の暗い雰囲気の映像が印象的。


FBI組織を創設した人物ということで惹かれての鑑賞。FBIの成り立ちやアメリカの歴史、時代背景を知れる作品としてはいいのかもしれない。
国会図書館での話が印象的で、当時皆が無駄と言った現代の図書館でも使用されている検索システムを最初に考案した人物。“革新者は最初は誰も認めてくれない。”という言葉の通り自分の信念を貫き通したからこそ、強いこだわりをもって一大組織を築きあげることができたのだろう。

事件現場を素手で指紋も気にせず荒らすような捜査をしていた時代で、コンピューターもまともにない時代に、エドガーが科学捜査班を設立し指紋データを利用した現代の捜査基盤を作り上げるという偉業を成し遂げたのだから本当に素晴らしい👏

その反面マザコンで母親に忠実な上にゲイで人種差別主義者という個性派キャラ!母親が子どもに煙草を勧めるという時代が新鮮。共産主義と犯罪者を頑なに嫌うという点では賛成なのだが…
権力乱用とトップシークレットのファイルで大統領ですら脅そうとする行為は正義のためなのか、はたまた自身の権力保持のためなのか分からない。

青年時代と現在の描写が交互に切り替わりが多く、どちらの時代のエドガーにも共感しずらい為集中してみれない。ディカプリオの青年時代の演技は良いのだが、特殊メイクでの年老いたエドガーの声が若すぎるのとメイク荒すぎて…笑

なぜだろうかアーミー・ハマーのゲイ役多い説。007シリーズでも母親的な存在で登場するジュディ・デンチはやっぱり母親役似合うね。ディカプリオもイーストウッド監督の作品も好きだが、今作は面白みを感じなく個人的にはハマらなかった。エドガーは革新的なアイディアで功績を残したが、その分とてつもない悪行や法に触れることも沢山していた。それなのに生きている時にはシークレット情報の活用と隠蔽を武器に世間に知れ渡ることも罪に問われることもなかったというのだから凄い。彼の死後悪行が明るみに出るが、優秀な秘書が全てのファイルを処分したから彼の情報がほとんど残っていないという謎の多い人物エドガー。
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