ガブXスカイウォーカー

吸血鬼ハンターDのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

吸血鬼ハンターD(1985年製作の映画)
4.0
《あらすじ》
西歴12090年、最終戦争後の遥かなる未来の地球は、貴族と呼ばれる吸血鬼が君臨していた。辺境の村ランシルバに弟ダンと二人暮らしの少女ドリスは吸血鬼マグナス・リィ伯爵に血を吸われた。このままではその伯爵を倒さぬ限り、一生呪われた花嫁にされることを恐れたドリスは吸血鬼ハンターDを雇うが・・・・・!


原作は1983年の刊行以来、現在まで続く人気小説だけあって、今観ても西部劇+ホラー+SFと盛りだくさんで面白い。登場キャラたちはみんな魅力的で、サブキャラまでちゃんと描きこまれている。
例えば、マグナス・リィ伯爵の一人娘ラミーカ・リィは自分は高貴な吸血鬼一族と信じていたが実は吸血鬼と人間のハーフであることを知ってショックを受ける。ミュータントの麗銀星は吸血鬼になって永遠の命を得ようとするもマグナス・リィ伯爵に見限られるなどなど、一人一人にドラマがあるのだ。ストーリーも二転三転し、目が離せない。そして断片的に語られる吸血鬼ハンターDの正体は興味深い。

監督:芦田豊雄、アニメーションキャラクター:山内則康&いんどり小屋、作画監督:松下浩美、と当時人気絶頂だったスタジオ・ライブ(クレジットでは制作協力)が総力を結集したOVA(オリジナルビデオアニメーション)。天野喜孝のキャラクター原案をアニメーション用に大胆にアレンジしたそのキャラクターデザインは賛否両論であろう。作画はさすがに1985年の物なので古臭いが、むしろそれが現代のアニメにはない味となっている。

本作は黎明期のOVAだけあって、未熟な点も多いが、現代では少なくなったヒロイックファンタジーアニメとして大いに楽しめた。最近のアニメに飽きたら鑑賞してみるのもいいのではないだろうか。
懐かしさ補正で大大大オマケして4.0。