メタルマン

七人の侍のメタルマンのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
4.4
この映画を観るにあたって、たとえ世界中で評価されていようがFilmarksでの点数が高かろうが、自分が気に入らなければ遠慮なく低評価するぜゲッヘッヘ(▼ω▼)と、なんとも偉そうなスタンスで鑑賞したわけですが、いやほんとすいませんでした。
名だたる映画人が影響を受け、日本の映画史でも最高の傑作と評価される理由がようやく分かりました。

何よりも物語の展開がめちゃくちゃ面白い!
これほどまでに登場人物の個性が際立っている作品は、現代までの映画史で見ても本当に数少ないと思います。
三船敏郎の凄さは何となく話に聞いていましたが、個人的には志村喬演じる勘兵衛のカリスマ性にやられました。

圧倒的な才能を持っていながら決して驕ることなく、その人柄と立ち振る舞いで仲間から絶大な信頼を得ている、まさに理想の上司と言える人物ですね。

その勘兵衛を中心に、各登場人物のセリフも無駄が一切なく、200分を超える本編中の全てのセリフに意味があるのは、もはや神業の領域。
何気ない一言が人物像を深めたり、後(のち)の伏線になっていたりと、比類なき緻密な構成に驚嘆。

作品の年代や音質的に若干セリフが聞き取りづらい部分もあるので、鑑賞時は字幕を表示しておいたほうがいいかもしれません。
そこが数少ない難点かな。

白黒の映像も今の時代では逆に新鮮で、特に終盤、雨降りしきる中での決戦が持つ映像の味は今後二度と生み出せないのではないかと。

この映画をリアルタイムで観た人々は本当に衝撃を受けたんだろうなあと、思いを馳せることができるのも名作の特権ですね。
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