ヤマギワ

七人の侍のヤマギワのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
4.0
言わずと知れた名作。様々な映画の始祖となっているんだなー、と各所から感じます。天候と登場人物の感情をシンクロさせる演出なんかはこの映画が最初だったとか。

私はやっぱり三船敏郎に圧倒された。百姓出身の侍という特殊な立場で物語のジョーカーとして、縦横無尽に駆け回っていた。実際、三船敏郎が演じる菊千代は常に駆け回っている印象がかなり強い。笑

特に菊千代が侍たちに百姓たちの弱さや立場を怒鳴りつけるとこが良かった。七人の侍というタイトルだが、かなり百姓たちにフォーカスされた映画なんだなーと思ったりしました。

この映画で唯一難点を言えば、敵の野武士たちの背景を徹底的に描いていない。七人の侍と対となる存在なんだから、彼らについても語ってあげてもいいんじゃないかしら。ただ3時間半という長尺の中でこれだけ徹底して野武士について触れていないということは、そもそも黒澤明は語る気がなかったのかな?
次は無数にある七人の侍フォロワー映画の中でも唯一正式に権利を得て、製作されたという荒野の七人を観てみたいと思います。
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