まちゃん

七人の侍のまちゃんのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0
美しい構図、リアリティのある見事なセット、魅力的なキャラクター、素晴らしい音楽、ダイナミックなカメラワークなど幾ら称賛してもし尽くせない。画面の力に圧倒された。冷静沈着なリーダー勘兵衛、野生児のコメディリリーフ菊千代などそれぞれ一言で説明出来る個性を持ちながら決して類型的ではなく、キャラクター一人一人が生きていた。回想シーンを使わずに自然とそれぞれの人生が浮かび上がる描き方は見事だ。農民達もただ守られるだけの役割ではなく、弱さやズルさそして強さなどを持つ複雑な存在だった。多くのキャラクター、様々なエピソードを持ちながらも全てが侍達が野武士から村を守るというシンプルな物語に収斂されていく脚本は素晴らしかった。3時間半で無駄なシーン、セリフが一つも無いというのは信じられない。そして戦闘シーンの大迫力。これを超える戦闘シーンは存在しないと思う。映画の全てが詰まった映画史上最高峰の作品。
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