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雨のニューオリンズのBaadのレビュー・感想・評価

雨のニューオリンズ(1965年製作の映画)
3.2
同じ年の『サンセット物語』と同じくナタリー・ウッド主演、ロバート・レッドフォード助演による映画。

テネシー・ウィリアムズ原作で脚本にコッポラが関わっており、『アラバマ物語』でアカデミー賞候補になったメアリー・バダムが妹役で出ているなど、今思えば豪華キャストだが、テネシー・ウィリアムズの原作に足を引っ張られている感じで、ラストがあまり映画的ではなく傑作とは言い難い。シドニー・ポラックもテレビでは活躍していても映画監督としては駆け出し、ということで、ロバート・マリガン監督による『サンセット物語』よりはかなりたどたどしい感じ。

ただ、大恐慌時代の南部の雰囲気は良く出ており、衣装がいかにも熱いところらしくて雰囲気がある。舞台になった宿屋の雰囲気は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』と似ている。水や鉄道の写し方も特徴的で、色々と印象的なショットが多い。

物語は、普通にしていればうまくいきそうな恋愛や転居が色々余計なことをする母親のせいでうまく行かないという今としては全然説得力がない筋運びですが、多分これは原作者のカラーなのでしょう。

南部の雰囲気が好きな人はハマるのではないかと思いました。

この映画のナタリー・ウッド、特に良い演技とは思いませんでした。当時は熱演が受けたのでしょうが、ティーンエイジャーを見事に演じた『サンセット物語』の方がはるかによかった。

妹役のメアリー・バダムの存在感はナタリーを完全に食っていたと思います。レッドフォードは通常運転で好演でしたが役の男性が(この時代としては良くある筋書きではあるのですが)、今見ると結構ヘタレっぽいと思った。

最後に妹の語りでわかる伏線を物語の中で生かさなかったのがもったいないと思った。

JAIHOにて鑑賞。
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