ーcoyolyー

ベスト・キッドのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
3.0
意外とプロットはオリジナルに忠実なんですね。カラテがカンフーに変わった自体はオリジナルもあれ空手と言っていいのか躊躇する感じなのでさほど問題ではないと思います。

ただ、オリジナルって空手で日本というか沖縄で日系人でっていう部分、別に日本市場狙って作ったわけじゃなくてただ作り手がそれをやりたいって純粋にそこに愛があって持ってきた素材じゃないですか。

こっちはもうハナから中国市場ターゲットにして作ってて中国に愛なんかなくてただただチャイナマネーに媚び媚びでそれがキツい。

プロットは基本線そのままなんだけどキャラが全然違うのよ。主人公の黒人の男の子(この子ウィル・スミスの息子さんなんですってね!)はいいんだけど、ジャッキー・チェンが全くミスター・ミヤギと違う人物造形で、「ベスト・キッド」シリーズのキモってミスター・ミヤギの人間性じゃないですか。それが大黒柱。そこに西洋人がダライ・ラマなんかに感じるような「東洋の神秘」があって、ああいうミステリアスな老師・導師像が求められてるように思うんだけど、ジャッキー全然普通に教えてて何も神秘的なものないんだよね。ミスター・ミヤギにどうして寄せなかったのかな、あれは日本で中国は違うって言いたかったのかな。

こうやって見るとオリジナルの「コブラ会」のボンクラっぷりも恋しくなる。「コブラ会」フィーチャーしたドラマ作られるのもわかる。オリジナルの緩さが懐かしくなる。ここに「ベスト・キッド」のあらすじはあるけど魂はない。
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