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ベスト・キッドのRのネタバレレビュー・内容・結末

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で鑑賞。

2010年の「ベストキッド」リメイク。

監督は「ピンクパンサー2」のハラルド・ズワルド。

金ローでやっていたので。

話は母の仕事の都合で北京にやってきた少年ドレ(ジェイデン・スミス「アフター・アース」)はバイオリンを練習する少女メイ(ハン・ウェンウェン)と出会うが、それがメイの幼馴染でカンフー道場に通うチョン(ワン・ツェンウェン)らに目をつけられ、いじめられてしまう。ある日、反撃したドレを袋叩きにしようとするチョンらの前に現れたのはドレの住むアパートの管理人ハン(ジャッキー・チェン「レイルロード・タイガー」)だった。後日、チョンとカンフー大会で戦うことになったドレはハンとの特訓を開始するというもの。

恥ずかしながら、オリジナル版は未鑑賞。

ただ、カンフー映画ものの中では有名な作品であることは知っているし、ミスターミヤギという人、主人公の特徴的な「鶴の構え」のポーズなどが記号化するくらいだということも知っている。

今作ではオリジナル版とは変わり、主人公の年齢も下がり、その主演を務めるのは、なんとあのウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミス!!

ウィルはプロデュースとしても今作で名を連ねており、さながらコネ映画か?と揶揄されがち…

なんだけど!!俺は個人的にはこの配役はアリだと思う。

確かに、二世としての、「あーこいつは生意気だわ…」感は、序盤のメイに話しかける軟派な口調といきなりドヤ顔でやるロボットダンスなどで垣間見え、若干イラっとはくるが、肝心の特訓シーンでは軽口を叩きながらも比較的真面目に取り組んでいるし、基本的には誰に対してもコミュ力が高く、友好的なのも好印象。

何より、口調では強がっているけど、父親が亡くなり、いきなり北京という未知の土地で右も左もわからない状態の中で不安だろうにカンフーを通して次第に成長していく様を見ていくうちに、ウィルじゃないけど、一種の親心というか「頑張ったね!」と言いたくなるくらいには胸が熱くなった。

特にそれが進入現れるカンフー大会決勝、チョンの仲間に深手を負い、万事休すの状態の中で繰り出す「鶴の構え」ならぬ「蛇の構え」からーの…うーん、カタルシスもあって激アツだった!!

あと、今作を語る上でなんといって最大のポイントはオリジナル版でのミヤギに当たる人物、ミスターハンを演じたジャッキー・チェン!!

まさかのビッグネーム!!ここはウィルパワーがデカイのかな?と下世話な想像をしてしまうけど、やはり彼を引っ張ってこれたのは良かった!!

どこぞの達人のように飛び交うハエを箸で掴むのかな?と思いきやのハエ叩きというちょっと洒落た登場から「舐めてた相手が殺人マシーンでしたムービー」ならぬ「舐めてた管理人がカンフーマスターでした」的展開!!

わかってるぅ!!ジャッキーお得意の手数の多いアクションで道場門下生をバッタバッタとなぎ倒す様は単純に爽快感があり、ジャッキーのアクションスターとしての風格を感じさせる。

でも今作では演技面でもドレの師匠にしてメンター的立場な分、ドレの修業を見守る父親的演技の微笑ましさからの暗い過去での繊細な演技(ここでのジェイデンの抑えめな演技も良かった!)、そこからのドレとハンの互いに真に分かり合えた上でのグッとくる棒を使った修業シーンなど先日観た「グースバンプス」のジャック・ブラックじゃないけどジャッキーの年を経たからこその新しい面も観れたのは収穫だったなぁ。

話的にも、劇中ハンのセリフで「カンフーはあらゆる動きの中にある」という言葉があったやうに「上着を着る、脱ぐ、かける」の単純な動作がカンフーの修業になっていたりとオリジナル版に通じる展開があったのも良かった!!

あと、ジウファの回復力すげーよ笑!!

エンドロール然りウィルの親バカ映画として観られがちだけど、観ず嫌いせずに正統な「ベストキッド」の現代版としてこれ以上ないエンタメ溢れる作品になっていると思う。
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