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ベスト・キッドのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
3.2

師匠と弟子🎬

ストーリーはいじめられっ子の主人公が武術の師匠ハンと出会い成長していく姿を描いた作品でした。今作は1984年に製作された同名映画のリメイク版です。今作は個を重んじるアメリカ文化と親族や身分、そこに生じる礼と考を重んじる中国の文化、ありのままでは相容れない部分が多い二つの文化が出会う物語でした。そして今作が伝えたいことは、和解と融合を表現したいのだと思いました。作中のドレの行動は徹底してアメリカ式でした。母親への態度、年長の師であるハンへの態度など全て気さくで軽く、礼を執ったり、正面切って非礼をわびたりすることも決してしません。彼の振るまいは中国において「失礼」であり、「不孝」であるとされます。しかしハンは「態度を正しなさい」などと言わず、彼の行動のみに終始しました。"hung it up take it down hung it on"を繰り返すシーンで、ドレが脱いだまま床に放る癖のあるジャケットを、何度もかけては戻し、戻しては着させます。正しい行動に慣れたところでようやく「態度よくやってみなさい」と、段階を踏んでは居るが、「礼」を知らずに見ていると、いまいちピンとこない。礼に始まり礼に終わる、アジア圏特有の文化ですからね。ストーリーはスタンダードな「成長物語」なので誰でも安心して鑑賞できます。
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