HolgerShumai

白いリボンのHolgerShumaiのレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
4.0
後回しになっていた白いリボンをやっと見れた。第一次大戦前のドイツの村で、末期ながら生き残っていた封建制度と宗教による倫理の支配、そしてそれらのほころびをひたすら見せられる144分間。ほころびができていながらも社会的強者である大人の男は皆それに対しては見て見ぬふりをし、社会の中で得ている既存の地位を守ろうとする。そしてそのしわ寄せは弱者たる子供と女たちに様々な形で向かっていく・・・。ハネケの他作品と同じく、観客を突き放した上での「お前もそうではないのか?」という問い。この映画に漂う厭な空気は、現代でも至る所で漂っている。だいぶ前に辞めた会社の閉鎖的で硬直的、風通しもクソもない組織を思い出した。