サラエボ事件の少し前、ドイツの閉鎖的な小さな村で起こる怪事件の数々。最初は、医者の落馬、それから起こり続ける事件はどんどん過激になっていく。犯人は誰なのか?というサスペンス的な要素もあるが、もっと普遍的な要素を扱っている、いかにもハネケらしい怪作だ。
ネタバレを回避しながら、この普遍的な要素を解説するのは難しい映画なので、まずは鑑賞する事をお勧めします。それで訳が分からなければ、町山智浩さんの解説音声ファイルを聴いてみるといいと思う。200円ぐらいするけど、ベルイマンやラジオ体操などの影響を絡めながらの200円以上の価値のある解説なので。
ちなみに動きが少なく、音も静かで、モノクロなので、すごく眠くなります。途中で寝落ちして3回くらい観ました。タルコフスキーばりに眠くなりますが、内容は秀逸です。特に犯人はそれとなく示唆されながら明言されないあたりがとてもグッとくる。考えてほしい、この20年後ナチスが台頭するのだ。