みきぴん

白いリボンのみきぴんのレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
4.0
胸糞映画だの 鬱映画だのと
好き嫌いが両極化する
ミヒャエル・ハネケさんですが

やっぱり 美しい!
どこで一時停止しても絵になる
全編 モノクロの画面と構図の美しさ!
そして鬱々と続く不安と落ち着かなさ……
好きです!

第一次世界大戦前夜
ドイツの小さな閉鎖的な村で
村を統治する男爵
聖職者
医者 と
それぞれの妻や子供たち
多くの小作人たち

濃密な息苦しい人間関係の中で
次々と起こる 不穏な事故や事件

力で支配する者と される者
当たり前の姿で有る筈の
思春期の子どもたちの混沌にさえ
有無を言わさぬ服従を強いる
がんじがらめの 抑圧

犯人探しの謎解きに終わらない
強者が弱者を徹底的に抑圧する事で生まれる
歪みの不気味さが半端無い

この徹底的な抑圧から生まれる病んだ統率が
その後のナチスの思想に繋がって行くのでしょうか

それにしても
雪景色を最高に美しく見せるのは
やっぱり モノクロ!
(ドゥニ・ヴィルヌーブの「静かなる叫び」も モノクロ雪景色が美しかった)

* 12/6 DVD鑑賞
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