白いリボンの作品情報・感想・評価

「白いリボン」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.3
何故この映画がモノクロームで撮られなければならなかったのか、その理由を考えさせられてしまった。それは恐らくこの映画が子どもたちがつけさせられる、「白いリボン」に象徴される「無垢」を際立たせるためではないかと思ったのだ。詳しく書くとネタを割るが、この作品では結局のところ真相は「グレーゾーン」で終わる。語り部が「グレー」の服を着ていること、あと教会に集まった大人たちが「黒」い服を着ていることに注意しよう。それは欺瞞に満ちた大人たちの「嘘」を指弾しているのであり、子どもたちは「白」い服を着させられているからこそ「無垢」なのだということではないか。「無垢」なのに、ではない。「無垢」だからこそ……これ以上は流石に書けない。ロングショットで撮られたキャベツ畑や雪原、草原の持つ「白」さを際立たせており、映像美は優れている。サスペンスとしては『隠された記憶』にやや劣ると考えたのでこの点数に。
老人のナレーションを通して見える、村に広がる不穏な空気と不幸の連鎖。しかしそれ以上のことが見えなかった。
普通の映画
ものすごく不気味な映画。奇妙な事件が起こるごとに話が進んでいく。はっきりと提示されるわけでもなく、何となく匂わせるだけで終わってしまいました。後味悪いです。あの子どもたちはその後どうなっていったんでしょうね...。
語り手である教師が、結婚の許しを得るために娘の父親を訪ねる。結婚は1年様子を見てから考えるということになり、許しは先送りされるが、そのときに父親が言う。1年なんてあっという間だ、

「世界が壊れるようなことはない」

しかしそれまでの間に第一次世界大戦が勃発する。
世界は壊れようとしていた。

男爵が牛耳っている小さな村。
医者が何者かに仕掛けられた罠で大怪我を負い、いなくなった男爵の息子が乱暴された状態で見つかり、妻を亡くした医師と関係のある助産婦の知恵遅れの息子が怪我をさせられて発見され・・・不可解な出来事が起こり、村人たちは不安と困惑の中で暮らす。
村を支配しているのは男爵だが、映画を薄気味悪さで覆っているのは牧師の一家である。ラストで画面中央を最後に歩くのが牧師であることからも、彼こそが中心人物であることがわかる。

それぞれの事件の犯人は結局明言されないが、牧師の娘・息子(特にクララとマルティン。ちなみにクララは聖フランチェスコに最初に帰依した女性アッシジのキアラ(クララ)と同じ名、マルティンはルターと同じ名)が怪しいことは始終匂わされる。悪魔に取り憑かれているかもしれないということまで語られるのである。彼らはその純潔さを失わないようにと父から「白いリボン」をからだに結ばれていた。しかし彼らの悪行はその「お守り」の効力などなかったと証明するかのように行われて、父の愛鳥はハサミで惨殺され(死体は十字の形になっている)、男爵の息子は池に突き落とされる。

語り手である教師は、クララとマルティンが犯人ではないかと疑い、牧師に話をするが、牧師は憤って認めようとせず、教師を脅迫までする。

第一次世界大戦開戦直前という舞台設定、牧師の一家を軸に回る物語、そして未来を担う子供たちの犯行。これはその後の歴史への責任をキリスト教という宗教が決して逃れられないということを暗示していると思う。たとえキリスト教から生まれた鬼子たちの仕業であったとしても。ラスト、教会に集まった村人たち全員を映す画面は不気味だ。まるで最後の審判を自分たちの救済を信じて待っているかのような姿だ。

陰鬱な映画だが、救いがないわけではない。
特に、牧師の末の息子が、父親の失われた愛鳥の代わりにと、自分の飼っている小鳥を差し出すシーンは感動的である(そのときの牧師役の演技も見事)。その息子が表す未来こそ、望ましい未来ではないか。
人間は常に歴史から学ばないといけないのだと思う。身近なところから、破滅をもたらすような元凶がないかどうか確かめ、そして見つけ出したなら、勇気と「本当の愛をもって」(それこそが宗教の役割であると思う)それを正していく必要がある。
2009年になってこのような映画が作られたことを深く受け止めるべきだと思った。
陰鬱としてた
ときどき見返すひとつ。

自分がいちばん苦労してて自分がいちばん可哀想。
あの手この手で自分に歯向かうはずない相手を傷つける。肉体で言葉で。「大人」「子供」ヒトにだけ存在する区別。(脳ミソ含む)肉体を使いこなす時間が絶賛すくすく発達中なだけで、子供時分にも人格はすっかり備わっている。
ヘタな大人より人格のたつ「子供」はいるのだ。

年末よく晴れた日にキラキラ眩しい雪原とか、聖歌隊少年マルティンの細腕でお仕置き印を明白にさらすリボンの太さふくめて、村の暮らしに根深いカーストがひきたつ全編モノクロは大正解。

ドクター→助産婦に三行半くだす一言一句に目を見張る…
タニー

タニーの感想・評価

4.0
不可解な事件が沢山起きるけど、全て解決してない。でも、なんとな〜くキーポイントはそこらじゅうに散らばってるような。
っていうか、解決する意味はないっていう映画?
表現したいのは、そこじゃない!みたいな。

皆んなが怪しいし、閉鎖的で余計な事言って目立ちたくない。本当のこと知るのが恐ろしいから、知らないふり、無関心。小さな村。
純粋すぎて、残酷さがわからない子供達。
だからこそ、ひしひしと伝わってくる、実は陰湿で恐い映画。

教師と男爵夫人は、唯一この村に染まってなかったのかな?
雪ん子

雪ん子の感想・評価

2.0
ファニーゲームを先に見て、他の作品も見てみよう!と思いレンタルしたけど、最後まで「なんだかなぁ」って思いで見た記憶がある。敢えて、ブサイクな俳優さんを選んだのか?セリフもなんだかなぁって感じ。再見はしない。
otom

otomの感想・評価

4.8
久々の鑑賞。鑑賞者が村人の中の一員になるかの如く疑心暗鬼に陥る。村人同様に鑑賞者も分からない事だらけなのだ。人は我こそは純潔なりと思うからこそ人を疑うのだろう。感動を起こさせる映画は数あれど、不安や不快さをここまで感じさせる映画は数少ない。傑作。詳しくは http://otom.jp/blog/das-weisse-band/
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