Nana

早春のNanaのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
3.5
今から60年以上前の、リーマンの悲哀を描いたモノクロ映画。
満員電車に乗ったり、急に地方へ飛ばされたり、リーマンは辛いよ。
でも、休みの日は仲間とハイキング?したり、夜は狭い部屋に集まったり、現代より人間同士の繋がりが温かい感じ。

夫婦の危機も出てくるけど、ドリフのコントみたいな小さな布団で並んで寝ていたり、玄関を開けるとお向かいの奥さんとお話できたり、こちらも何とも温かい。旦那さんイケメンだと、奥さんは心配だなあ。

いま、岸惠子さんの自伝を読んでいて、彼女の若い時の映画が観たくなったので観たのですが、フレアスカートとタイトなトップス、モノクロでもハッキリ分かるルージュに女優オーラがあって素敵でした。
あんなビッチに迫られたら、ふらっとするの仕方ないよ~

他に印象に残ったのは浦辺粂子。
「おしょうゆはしょぼしょぼって入れればいいよ」「今日のおでんは味が染みてて美味しいよ」って、絶対料理上手そう。あんなママンがいたら、帰りたくなるわ、五反田…

枯れ専の私は、意外と若々しい笠智衆にちょっとがっかりでした。東京物語と同じ時期の作品なのに、実は老け役の方が特殊メイクだったのかな?

あと、旦那さんの戦友の酔っ払いが面白かった。小津作品の酔っ払いは何ともかわいらしくて好きです(*´ω`*)
Nana

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