巨匠イエジー・スコリモフスキ監督が
1970年に撮った青春映画『早春』の
リバイバルの話を知人がしていた。
『早春』と聞いて
たしか小津安二郎の作品にあったような
気がするなあ、と思ったら
ちょうどBSで放映してくれた
リスペクトする小津監督の作品。
珍しく不倫が題材で
昭和30年代のサラリーマン風俗が
描かれている。
団地や長屋、開襟シャツをパンツにイン。
舗装されていない蒲田駅周辺に
バスが並ぶ東京駅。
殺風景なビル群。空が広い。
レトロだわ。
ハイキングに行った江ノ島と
遠くに見える烏帽子岩は変わらない
確かに岸恵子は陽気で華がある。
お好み焼き屋の個室での
キスシーンは艶っぽい。
なるほど「個室」なのか
不倫は永遠のテーマだな。
若夫婦が子供を欲しがらないとか
今の少子化の予兆を感じる。
池部良が二枚目で、それでいて味がある。
淡島千景はキリッとしている。
ラストは「黄昏流星群」のよう。
他の小津作品とはまた違った味がある。
いい映画だ