みおこし

ウィズネイルと僕のみおこしのレビュー・感想・評価

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)
3.8
1969年、ロンドンのカムデンタウン。役者を目指しながら相棒のウィズネイルと暮らす「僕」は、未来も見えず貧しい日々に加え、自由奔放で身勝手なウィズネイルとの生活にも辟易していた。ある日、ひょんな事からウィズネイルの金持ちの叔父モンティの別荘で休暇を過ごすことになるが...。

暗〜くじめじめして、決して華々しくはない貧しいロンドンの人々の姿が見られる一本。信じられないくらいゆるくてシュールなコメディで、冒頭からウィズネイルと僕のブッ飛び具合に度肝を抜かれました(笑)。いや、もうこの2人アホすぎる...!!お皿を洗わないからキッチンが汚すぎて、何か得体の知れないモノ(ネズミ?笑)がいるんじゃないかと2人でビビりながらシンクに手を突っ込むシーンは爆笑。はじめはラリってるのかと思ったら、アル中なのに加えて元々ちょっぴりいかれてる2人組のようで、セリフ1つ1つがもうおかしいったら...。アメリカのドタバタコメディとはまた違うんですが、独特の間と常識を超えたユーモアに唸ること間違いなし。

特段何か大きなストーリーがあるわけでもなく、淡々とウィズネイルと「僕」の世にも奇妙な数日間が綴られていきます。でも1969年といえば、怒涛のように時代が移り変わったターニングポイントの時期というのもあって、なんともいえないドラマチックな雰囲気を醸し出してるのが本作のまた良いところ。ジャケットのポッケに手を突っ込み雨のカムデンを歩くだけなのにどうしてこんなに絵になるんだろう。ジミヘンはじめ、BGMもまさにリアルタイムで流行していた名曲ばかり。

ウィズネイルが喋るたび、あの独特の喋り方で9割方社会や周りに対して不平不満を漏らすのが個人的にツボ(笑)。ハリポタシリーズのバーノンおじさんこと、リチャード・グリフィスの某シーンも爆笑必至です。ラストはどこか切ないというか、あっさり終わるので寂しかった。それくらい、見ているうちにこの救いようのない2人に知らず知らずのうちに愛着を抱いちゃってたんだなぁ(笑)。
イギリスとアメリカではカルト的な人気作とのこと、必見です!
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