広島カップ

傷だらけの栄光の広島カップのレビュー・感想・評価

傷だらけの栄光(1956年製作の映画)
4.5
ブルックリンに生まれ育った青年。
不良、クズ、ゴミ、チンピラ、親不孝者……

煮ても焼いても食えない彼に冠する形容詞を全て揃えても足りない青年がミドル級の世界チャンピオンに登り詰めるまでを描いた実話に基づいた物語。

まだボクサーになる前のどうしようもない不良時代の主人公ロッキー・グラジアーノ(ポール・ニューマン)が初っ端から魅力的で目が離せませんでした。
父親の影響ではねっ返り、その後ドンドン堕ちていく青年。
「こいつどこまで意地張って堕ちていくのだ」という前半にポールの魅力が弾けていました。

若さとパワーをほとばしらせ青春の苦さを醸すポール・ニューマンのなんと魅力的なこと。
「ハングリーな男こそが優れたボクサーに成れる」という拳闘の王道を見事に演じきっています。

紆余曲折あってボクサーになってからは恋と結婚、裏切りによる挫折の中で描くチャンピオンへの道です。
この後半は彼を支える周囲の人々の役割りが重要です。
ヒリヒリするようなボクサー本人だけではボクシング作品は描けないのは名作"あしたのジョー"を読めばすぐに解りますが、本作もその典型で両親、セコンド、妻が手堅く脇を固めて典型的だけど良くできたサクセスストーリーを完成させています。

私が嫌いなスローモーションを使った拳闘シーンが無いのも点数が高い所です。

本来はジェームス・ディーンが主役をはる筈だったのが突然の他界によってポールが主役に抜擢されたり、スティーブ・マックイーンの映画デビュー作品だったりとスクリーン外の話題にも事欠きません。
出番の少ないスティーブでしたが振り返り動作の速度といったら彼より速い人を見たことありません。"だるまさんがころんだ遊び"が強そうです。笑