アメリカで隠れ住んでいる元ナチス高官の老人と、それを暴いた少年の汚い取引が繰り返される話。
支配者と非支配者の入れ替わりが劇中様々な人物間で見られ、戦時中のファシズムを一部垣間見た気がした。
中程度の山場が繰り返し訪れ、ずっと胸騒ぎがする展開だった。
元ナチ設定のイアン・マッケラン、冷たい眼光が時々灯るのが恐ろしかった。
ブラッド・レンフロも大きな事件を起こす前後で目の演技に変化があり、罪への葛藤→罪との対面→罪の許容がよく現れており、戦争で人が変化することを現代人として体現していた。
終盤、さすがに偶然が過ぎるので5点は付けられなかったが、一度でも罪を許容した者がどうなるのか、末路まで描かれていて暗い感動をもらった。
スティーブン・キングだからまあまあクドイ出来だが、繊細な心理描写を是非見てほしい。