蛸

イップ・マン 葉問の蛸のレビュー・感想・評価

イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)
4.1
イップ師匠は人格面においても武術面においても完璧な聖人なので、トラブル=試練の原因は基本的には外在的(金銭問題、弟子の未熟さ、武会のしきたりなど)。
それにもかかわらず観客がストレスを覚えないのは、イップ師匠が「舐められる」⇨「実力で周囲を圧倒」というプロセスの持つ圧倒的なカタルシスのおかげか。
映画全体を通して実は金銭にまつわるトラブルが支配的だが、最終的にはドラマは中国武術のプライドをかけた勝負へとスライドしていく。そこでサモハンが果たしている役割に涙。
それにしてもイップ師匠の妻が不憫すぎるので、彼女がイップ師匠に文句も言わずに尽くす理由を説明したエピソードがあるともっと良かった。
格闘シーンも相変わらず多彩なシチュエーションやアイデアが楽しかった。
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