竜平

アクシデンタル・スパイの竜平のレビュー・感想・評価

アクシデンタル・スパイ(2001年製作の映画)
3.7
孤児院育ちの男がひょんなことから自身の出生の秘密に迫ると同時にそこに絡む強大な陰謀にも巻き込まれていく、という話。ハリウッド進出後のジャッキーが本拠地である香港に立ち帰り製作したアクション映画。

U-NEXTにようやく来てくれたもんでめちゃ久しぶりに鑑賞。カンフーに長けていてちょっとした予知能力もある、がしかし平凡な日々を暮らしているという男が主人公。そんなこんなでジャッキーお得意のユーモア溢れる立ち回りが今作でも冴え渡ってる。とくに中盤、風呂場で襲撃されてからのそのまま裸で街中へ逃亡、からの股間を隠しながら攻防していく一連のシーン、ここなんかは歴代のジャッキー映画のアクションシーンの中でも上位に食い込むであろう屈指の出来栄え。また終盤のなんともジャッキー作品らしい、見てて変な意味でハラハラしてしまうほどのガチもんドタバタカーチェイス、からの『スピード』ばりの暴走トラック、そして極め付けの豪快ダイブに砂利坂ゴロゴロなどなど、格闘だけじゃないジャッキーの「アクション」がしっかりとあって、彼のスタントに懸ける想いみたいなのもバッチリ見て取れる内容になってる。中盤から登場の謎の美女演じるビビアン・スー、めちゃ可愛い。

しかしまぁ今作、作風としてはサスペンス寄りでシリアス路線というのもあって、そこらへんのアクション以外の部分、ストーリーの安っぽさというのは本当にご愛嬌ってな感じで。「スパイ映画」的な括りなんだけど、主人公がスパイでもなんでもないのにめちゃ凄腕というここらへんもジャッキーだからこそ許せちゃう設定かなと。序盤にある主人公の予知能力(第六感?)的な設定がいつの間にか忘れ去られてるあたりも笑いどころ。何はともあれファンならしっかり楽しめる一本。いつかジャッキー映画ベストシーン・トップ10みたいな特集作ってみたい。

というわけで2023年はこの映画から始まり始まりー。
竜平

竜平