福福吉吉

狼たちの絆の福福吉吉のレビュー・感想・評価

狼たちの絆(1991年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
ブッジャイ、ジム、ホンタウの3人は幼い頃から養父のチョウに泥棒の技術を厳しく鍛えられていた。3人は成長し、絵画泥棒のプロとして行動をしていたが、ホンタウはそんな生活を嫌悪し、2人に最後の仕事だと約束させる。しかし、その仕事は失敗し、ブッジャイが車の爆発に巻き込まれてしまう。残された2人は悲しみに暮れながらも、しばらくして愛し合うようになる。そんな中、2人の前に車椅子に乗ったブッジャイが現れて...。

◆感想◆
孤児だった3人が養父により泥棒として育てられ、絵画泥棒を行うも利己的な養父に嫌気がさし、泥棒を辞めようとするも養父の策略により再び泥棒を行うことになってしまうストーリーとなっていて、3人の関係が変化していきながらも絆の部分の強さが変わらないドラマの心地よさと泥棒を行うシーンのコミカルさ、銃撃戦など戦闘シーンの激しさなど映像面での面白さが詰まっている作品でした。

ブッジャイ(チョウ・ユンファ)、ジム(レスリー・チャン)、ホンタウ(チェリー・チャン)は泥棒として養父のチョウ(ケネス・チャン)に訓練される一方、警察官のチューには悪の道に走らぬよう実の子のように愛情をかけて育てられており、大人になってからチョウに利用され、絵画泥棒を続ける一方、チューを父親のように慕っていて、3人の清濁併せ持つ性格が育ち方に反映していて良かった。ホンタウは泥棒の道から抜け出したい気持ちが強いのですが、ブッジャイやジムはどこか泥棒を楽しんでいる部分もあって、ホンタウの願いを渋々受け入れながらも、裏では泥棒に走るふざけた性格をしていました。

ストーリー前半にブッジャイたちの泥棒として活動状況を描いており、3人の個性がしっかり出ていてコミカルで楽しい展開が詰まっていました。しかし、チョウの罠によりブッジャイとジムがピンチに陥り、ブッジャイが爆発に巻き込まれたことでストーリーに大きく変化が生まれます。

ストーリー後半、亡くなったと思われたブッジャイが車椅子に乗って現れて、シリアスな展開になるかと思えば、車椅子を手足のように扱う陽気なブッジャイの姿が非常に楽しく、コミカルさが継続していきます。これが意外性があって面白かった。車椅子がハンデになっていないチョウ・ユンファの超絶車椅子テクニックが退屈させなかったです。一方、養父のチョウが完全に敵対する存在になり、前にも増して憎たらしい姿を見せます。善のお父さんのチューがいるので、悪のお父さんが完全に悪になり切っていて、ストーリーとしてしまりが良かった。

本作はアクションシーンが豊富で、監督ジョン・ウーの作風なのか銃撃戦、格闘戦、カーチェイスから派手な爆発シーン満載で映像面でも面白いものになっていて、ストーリーはおまけとでも言わんがばかリの面白アクションシーンが続きました。

とても面白い作品でした。キャラクターにしっかり個性がついていてどんな展開でもコミカルさを失わないアクションコメディとして極まっていました。

鑑賞日:2025年9月3日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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