踊る猫

桐島、部活やめるってよの踊る猫のレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
3.6
これはまさに問題作。原作はどうなっているのか知らないのだけれどこの映画では「桐島」が現れないことによって(ベケット的に?)重要ななにかの不在について語っているように思われる。話題作を敢えてこのように映画化したことは監督とスタッフの自負に拠るところが相当に強いのだろうけれど、私はダメだった。何処か奥が深そうで実は思わせぶりなんじゃないかな……という印象しか感じられないのだった。ただ、青春の一時期を切り取ったという意味では巧みだと評価したいのだが……吉田大八監督は基本的には地味な映画を撮る方なのだな(だから『紙の月』も素材の割に滋味だった)という認識を再確認させられた。あとは何気に女性の持つ本質を描くのも巧いのかな、という……こう書くと怒られるかな?
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