BSプレミアムにて
たぶん今観ないともう観ることはないだろうと思い、たまたま放映があったので鑑賞。
いや、面白かったですよ。
原作が当時よく宣伝されてたけど、きっと原作も面白いのでしょうね。
読みませんが。
桐島君という、キャラは説明されるけど一向に姿が見えない人物を中心にした青春群像劇。
今時の高校生はこんな感じなのかなぁ…と考えながら、私的には映画部の神木君に移入しましたよ。
だって映画館で「鉄男」を一人で観てるんだもん。
そんで、同級生の女子にタランティーノを語り出すんだもん。
映画部だから映画を撮るんだけど、8㎜フィルムでゾンビ映画ですよ?
このキャラに当てはまりそうな方がFilmarksに何千人いることか…
ということで神木君のキャラと演技だけでもう良いです。
たぶん今の若い方々なら今作の高校生、特にJKの描写はリアルなのかも知れませんが、私的には主要な女子キャラ全員をひっぱたきたくなりましたよ。
あと、男子連中も桐島、桐島と騒ぎすぎ。
まあ、それがないとこのドラマは成り立たないのだけれどね。
とにかく情けない。
東出君も何で泣いてんの?
そんなに桐島に自分を投影してた訳?
いなくなると自分という人間に不安になる訳?
それとも、桐島に必要とされてないのが哀しい訳なのかなぁ?…
そりゃ、思春期が微妙なバランスで形成されているのは分かってますよ。
それでもやはり、映画部以外で主要な学生さん達に「桐島、桐島って、神様じゃないんだから、いなくなったの騒ぎすぎ」って言いたくなる。
ドラマ的には思春期における自分の存在が不安で、何か自分のアイデンティティーが欲しくてもがいている、みたいなお定まりのパターンの域を出てはいない。
ただ演出的には観るものがあり、力量を感じさせる監督さんだと思います。
吉田大八さんの監督作品では「クヒオ大佐」を観ましたが、役者のキャラを活かす腕前が凄いなぁ、という印象で、今作でも神木君は光ってたし、東出君をナチュラルなままで演出し、女子キャラも観る人がちょっとカチンとくるように計算された演出で非常に上手いと思いましたよ。
で、私的結論としては、現代のティーンエイジャーには面白い映画だと思いました。
また、世代が高い方々でも映画がメチャンコ好きな人には映画部限定で移入できます。
そして監督さんがとても良いですね。