菩薩

桐島、部活やめるってよの菩薩のレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.4
映画に主役は必要なのか、騒動に主役は必要なのか。

主体なき騒動が広がるまさに半径1メートルのドラマ、青春はめんどくさい、めんどくさい物にはドラマ性が備わっている、学園という巨大なヒエラルキーの中には毎日潜在的に幾通りものドラマが内在している。

こと高校生活と言うものから、人生においての負け組・勝ち組の線引きがはっきりとなされてくる。今となってはその時点ではまだそれは弱くたわいも無いものに思われるが、自分もその時分には大いに悩まされたものである。男女、部活、学力、恋愛、クラス、多くの線引きがなされる中で、自分はここという定位置を見いだすことでそこに安住の感を生じる。

しかし、それは一度落ち着いてしまうと抜け出せない底なし沼でもある。見えざる主人公はその定位置から脱出をすることにより、その周囲の相対的関係性を破壊してみせた。そして彼らが集約される場は本来では誰の何物でもはずの屋上、そこで地位の逆転現象とまでは行かないがささやかな反乱、革命が起きる。しかもそれが生きながらに死に、死にながら生きているゾンビによるものという点が面白かった。

キャメラを向けていた側が逆に向けられ、夢と現実を語る。高校生はまさにそういった相反する二極の中間で揺れ動き、不確定な情報に揺さぶられる、最も不安定な存在であると思う。まだ何者にもなり切れぬ彼が、その括弧の中に今後何を書入れるか。最もモラトリアムでありながら、また不自由でもある期間、青春は、高校時代はめんどくさく、そして難しい。



新橋文化無き後、どこの劇場に行けば、橋本愛と遭遇できるのか…俺も一緒に鉄男観たい…。