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桐島、部活やめるってよのりのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.6
何回見ても毎回どこかしら発見がある映画。

それぞれのカーストでもがく者たちのそれぞれのセリフ、表情は本当に役が宿ってるようで。
特に好きなシーンは前田が映画の1シーンを撮ってる途中、ふと通ったかすみにカメラを向けるシーン。ファインダー越し前田だけの世界が広がっているような気がしてめっちゃ好き。

進路調査表を配られた時に沢島さんが宏樹につられ同じグラウンドを眺めるシーンも同様に良い。

前田だって映画監督にはなる気は無い。
野球部のキャプテンだってスカウトの可能性は低い(ように見える)。
バレー部もしかりで、桐島が抜けた穴は大きく結果は出せずもがいてる。
やけど熱中出来る物を持っている彼らはすごく強くて、儚くて、素敵に映る。「結局出来る奴はなんでも出来るし、出来ない奴は何も出来ないっていうだけの話だろ。」って台詞はかなり好きやけど、弱者の頑張る姿にこの劇中の強者である宏樹が嫉妬しているシーンっていうのもまたこの映画の面白い部分。
実は自分は宏樹こそが主人公なんじゃないかと見るたびに思う。

本当に何度見ても面白さを見つけられる。あと橋本愛マジ可愛い。そんな映画。
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