ベルモット

桐島、部活やめるってよのベルモットのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.0
放課後直帰型帰宅部だったので、こういう人たちを傍観していたのを思い出した。残念ながら共感はできないが、面白かった。

桐島が部活をやめただけで周りはひどく動揺し、そしてこれでもかと振り回される。たかが部活。だけどそれが狭い世界にいる生徒たちには分かりやすいアイデンティティなんだ。
桐島がどうして部活をやめたのかは分からない。気まぐれか、周囲の反応を面白がっているか、あるいはその小さな世界から抜け出したかったのか。
部活をやめた桐島に興味がなくなったら人は離れていくだろうし、桐島は周りの人たちが自分から離れていくことには耐えられないだろう。彼らは小さなことですぐ揺れ動くけど、肝心なところは何も変わらない。変われないんだ。

朝井リョウのデビュー作。
原作は人物毎のオムニバス形式で、それを映画では同じ時間を複数の視点から描き、群像劇を少し俯瞰で見る感じ。
原作にはない屋上に集まるシーンはドラクロワの「民衆を導く自由の女神」のような雑多で威勢のいい革命感があった。
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