21世紀のスクールカーストを生々しく描いた青春映画の完成形。
自分の高校時代を思い返すと、この映画に出てくる登場人物、全員居た。
公立共学の高校生活をリアルに切り取り、カメラワークも秀逸な素晴らしい映画だったと思う。
どんな粗暴な不良も絶対に手を出すことが出来ない領域にいる、ナンバーワン高校生。
自分自身の高いスペックを活かしきれず、ただ日々を生きているだけの高校生。
高校生活を楽しく過ごしたいが為に、自らの保身の為に、長いものに巻かれる高校生。
ただ部活という青春を謳歌する高校生。
みんな、『今』を生きている。未来はどうしたいか、なんてみんな考えてない。と言うか、考えたくない。
『将来は映画監督ですか?』
ラストに出てくるこのセリフは、
『今』という夢を生きる彼らを、瞬間的に現実に引き戻し、それはとても残酷に思えた。
こんなにもリアルで残酷な青春映画を、筆者はいまだかつて観た事が無い。