ハンダゴテゴテ

桐島、部活やめるってよのハンダゴテゴテのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.3
学校というものは、同調圧力が全てにつきまとうので、非常に自分である事が難しく、つまりは世界の生きづらさにそれが直結している。
この映画はそんな世界を生きていく若者達の群像劇だ。

ある人達は環境が作った価値観に従って生き、ある人達は己の好きな物を突き詰めて生きる。
前者は必死に何かに取り組む事を「ダサい」とし、「ノリ」や「カースト」といった秩序で同調圧力を形成し、その中で自分達を守って生きている。
そして、その秩序が崩壊すると慌てふためき、他人を傷つけ、慄く。
弱い人かもしれない。

後者は周りから見たら無意味に見えるような物の為に何かに打ち込む。
それは「誇り」や「夢」や「好き」といった形にならない物だ。
そして、自らの望みが叶わなくとも、最後にはその形にならない物を武器に生きていける、強い人だ。

僕はそんな後者の生き方の方が好きだし、そんな「好きだから」を見つけられたら素敵だなと思う。

宏樹は見つけられるのかな。