母親エヴァ(ティルダ・スウィントン)が愛情を持って育てているのに、何故か息子ケビンに伝わらない...息子は母親の気を引きたくて、母親の嫌がることを次々としでかしていく...息子の成長とともにエスカレートしていく行為...そして衝撃的なエンディングへ...
冒頭のトマト祭、赤を印象的に使ったオープニング。すべてはお祭りから始まったんですね。祭りの高揚感の中、出会った男性フランクリン(ジョン・C・ライリー)との一夜、望まない妊娠をしてしまったエヴァ...
それが罪だというのか、その後の彼女の人生は暗転していく。
血の色を思わせる赤をこれでもかっていうくらい重ねていく映像。実際にもありそうな理解不能な犯罪。すべてを母親の子育てに原因を求めていくのは酷だって思うけど、周囲はそう考えがちですね。彼女が何度も真っ赤な手を洗うシーンがありますが、なかなか綺麗にならないのが悲しいかった。
父親の鈍感さには閉口するけど、世の父親ってこんなもんかもしれない。映画「エスター」の夫を思い出してしまいました。
息子役の子役二人、それを引き継いだエズラ・ミラーの怪演は良かったですね。彼が口角を上げて笑う姿は悪魔のようでした。そしてティルダ・スウィントンの徐々に追い詰められていく演技、なかなかでした。