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少年は残酷な弓を射るのcanononのレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
3.5
どよーんとした空気が終始漂っていて観終わった後は鬱々とした気分になった。。
挿入される調子の良い音楽も不吉さを助長させる不協和音でしかない。
序盤から意味深なカーテンヒラヒラ長回しに、ホラー映画でもないので何か出てくるんじゃないかと思って目を覆ってしまったw(最後にわかるんだけど)

エズラミラーの突き刺すような冷たく美しい眼差しは彼以外の配役は考えられないほど。
全体を通して説明的なシーンが少ないので、なぜ彼が幼少期から母に対してのみ悪意を抱くようになってしまったのかしっかりと描かれていない。
「あなたがいなければフランスにいっていた」という言葉に凝縮されているような気もする。
自由を求める母は、元来家庭的な性分ではなく、幼少期からの無意識の発言や行動が怪物を生み出してしまったのかもしれない。
悪事を働いて母親を困らせて、気を引きたいんだとしたら究極のかまってちゃんですよね。
子育てしたことないからわからないけど、赤ちゃんの泣き声を消してくれる工事現場の音に癒される、て相当キテますよね。子育て中の方は共感できるのでしょうか。

ラストもあまりすっきりはしないけど少しは希望が持てそうで良かったかな。
母も息子も成長したということでしょうか。
血が繋がっているからこその親子の一筋縄ではいかない関係はとてもややこしくて厄介だなーと考えさせられる映画でした。
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