少年は残酷な弓を射るの作品情報・感想・評価

「少年は残酷な弓を射る」に投稿された感想・評価

結末 分かりきってたのにきっつ
ずー

ずーの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

エズラ・ミラーを見る月間①

かなり好みの映画。しかし「僕のエリ 200歳の少女」レベルのネタバレ邦題なのでは。
気難しい息子に悩む母親(エヴァ)と、母親への執着と愛情をコントロール出来ず憎む方向へ捻くれてしまった息子(ケヴィン)、追い詰められた息子の偏愛が学校での無差別殺人に繋がっていくという感じ。
結婚〜ケヴィンが産まれて事件が起きるまでと現在、ざっくり2つの時系列がバラバラに描かれていて、物語の大きな形がはっきりと見えるまでもどかしいのが良かった。エヴァの髪型ややつれ方で見ていてきちんと時系が変わったことがわかるのが親切。
完全にエヴァの時点で描かれているから、まるでケヴィンが悪魔の子のように見えるけど実際はそうでもないんじゃないのかなあ。ケヴィンが本当に悪魔のようになってしまったのは妹のセリアが産まれてからだと思う。それまでの過剰ないたずらや癇癪、トイレを覚えるのが遅かったり、好き嫌いetc…エヴァへ与えるストレスは、いわゆる育てにくい子供の範疇なのでは…?
ケヴィンが本当にエヴァへの嫌がらせのためにトイレを覚えなかったのかも、エヴァからの示唆しかないし、もっと言えばセリアの目の怪我もエヴァ視点でしか描かれておらずケヴィンがやったという明確な証拠は提示されていない。物語の中でケヴィンが確実に悪意を持って起こした事件は最後の弓矢による無差別殺人しかない。無差別殺人を起こす程の攻撃性をもっていたわけだから、今までのエヴァの推測も全部真実とみるのが妥当だけれども、それが全てエヴァのノイローゼ等の精神疾患から来る思い込みだったら?その思い込みこそが母からの愛を欲するケヴィンを追い詰めて事件に繋がったのだとしたら…と考えると恐ろしい。まあエヴァにオナニー見せつけたり、レストラン前にご飯食べちゃったり、パンを丸めて汚くしたりしてたし、異常性は確実にあるんだろうけども。セリアの義眼の話の時にライチ貪ってたのもケヴィンが原因って事の暗喩だと思うし。
熱を出してロビンフッドの読み聞かせをねだったケヴィン、ケヴィンから甘えられてエヴァは喜びを感じていたけれども、次の日のいつも通りそっけないケヴィンの対応にエヴァはすぐ諦めの表情を浮かべてた。そこに母子の信頼関係みたいなものが全然なくて悲しかった。整然とした部屋、たまに出る毒舌、エヴァとケヴィンの共通点はいくつか描かれるけれどもエヴァはそれに全く気をとめない。結婚前の自由なエヴァの性分は、ケヴィンに受け継がれているように思う。
家族で住んでいた家のケヴィンの部屋を再現して新たに設え、ケヴィンに会いに行くエヴァ。時系列が交錯していたのはエヴァがケヴィンとの日々を思い返し、出所したケヴィンを受け入れる心を整えていく様子を描いていのだと思った。
最後の面会でエヴァに事件を起こした理由を問われた時、取り繕わずに「分かったつもりだった。でも今は違う。」とおそらく本心を言えたケヴィン。事件を起こしてからケヴィンのことを考え続けるエヴァの姿は、ケヴィンの望んだ自分だけを愛してくれる母の姿では決してなかったということに気がついたのかな。エヴァはケヴィンにハグをして、ケヴィンもそれを受け入れたのはお互いに赦しあえたということなのか。
エヴァが見ていたドキュメンタリー番組で、ケヴィンが言い放った「僕が優等生だったらチャンネルを変えてるだろ?」これがもう全ての原因なんだなと。母の愛を歪んだ方法でしか乞えなかったケヴィンが狂おしいほど切ない。でもその方法で振り向かせた母の姿は自分の望んだものではなかった。
離婚の話を聞いてしまった時の、エヴァともう暮らせなくなると知った時のケヴィンの泣きそうな表情、エズラ・ミラーが恐ろしく美しくて妖艶なのでそれがまたケヴィンの孤独に拍車をかけて見えて悲しかった。
BGMに歌モノが多かったのも印象的だった。悲しい切ないシーンほど明るい歌だったような気が。家の壁や車、子供用シリアルなどポップな原色も意識的に散りばめられていた気がする。
ぬお

ぬおの感想・評価

3.7
リム・ランジーの終わり方は丁寧だなあ雑なようで丁寧に
Shihori

Shihoriの感想・評価

3.8
愛情を与えられない母親、みたいなレビューがあるけど、そんなことはなくて
生れながらの彼の特質だと思う。
母親の愛情を渇望した故の行動なのかな。最後に見せる彼の表情が忘れられない。
エズラー・ミラーは危うげで繊細な役が似合うなー。
にこら

にこらの感想・評価

4.0
ティルダ・スウィントンが最高にキツイ。
エズラ・ミラーも美しいけど、それ以上に。
心に余裕がある時に見てほしい。
ノリで子供を作るな。
生まれてきた子供には愛を持て。

という真当なメッセージのための最悪な筋立てのお話、を、最終的にそこへの気付きと許しで纏めるあたりが2作見た時点でのリンラムジー節なのかな、と。

文字通り残酷な結末の割に、
後味は全く悪くないです。

絵や演出における基本的な技量の高さは先に見たビューティフルデイとあわせて確かな才能を確認。
Rocket

Rocketの感想・評価

4.0
これは、なかなか深いです。

サイコパスではあるけれど…。
実際に子供を産んだ経験がある女性、母からの愛情を受けてこなかった男性、子育てに不安を抱えている親…
観る側の立場によって捉え方が違うかもしれません。

なんのフラストレーションも感じずに幸せな人生を送っている人にはただの狂気映画にしか観えないでしょうね。

エズラ・ミラーを観ようとレンタルしましたが、作品自体素晴らしかった。

邦題に関してですが…比喩的表現かと思いきや、まさかのそのまんまでビックリ(笑)
You

Youの感想・評価

4.6
※※どうして...?※※

夢半ばの出産
100%望んだ出産ではないはずです
故に子供に対する理不尽な八つ当たりをしてしまいます
そしてケビンは成長するにつれ、母親に反抗するようになっていきます
理解できない行動で母親を苦しめます
サイコパスを持つ母親を撮す映画
そんな風に感じました

しかし、それは半分事実とは異なります
至る場面に隠し散りばめられたケビンの感情が映画の終盤に一気に繋がるはずです
様々な見方ができる映画です
彼の行動が理解できない人、理解し心が苦しくなる人、いろんな人がいると思います
だからこの映画は素晴らしいと感じました

このレビューはネタバレを含みます

とりあえずエズラくんが美しかった。 
大人でも子供でもないあの年齢特有の危うさみたいな。 
色気がやばい。 
ジャスティスリーグのかわいこちゃんと同一人物だなんてちょっと意味がわからない…(褒めてる) 



で、肝心の内容。 

んー…誰が悪いってわけじゃないんだけど…なんか… 
お母さんが可哀想的な感想も見かけたんだけど、私はお母さんには共感できなかったなぁ… 
頑張って愛そうとしてるのはわかるけど、片隅にずっと『私の自由を奪った憎い相手』っていうのがあるように見えた。ケヴィンを妊娠したときのお母さんの絶望したような表情とかを見てるとねぇ…表面上は取り繕ってても(できてないけど)子供って敏感だし気付くよ。産まれる前からそんなだからもちろん懐くわけないよね。しかも、自分に対してはそんななのに妹にはちゃんと愛情を注いでるわけだからそりゃひねくれると思うわ。 
結局のところ、ケヴィンはお母さんの愛を独占したかったんだろうし。究極のマザコンなのかなぁ。 


お父さんはね、典型的なお父さんって感じ? 
良くも悪くも子供のいい部分しか見ない。ただ、ちゃんと愛情を注いでくれてるのはわかるからケヴィンもお父さんには年相応の表情を見せてたし。(お父さんとケヴィンが庭で戯れてるシーン、ケヴィンが可愛くて最高だった…) 


結末があんな風になったのは、お母さんと引き離されそうになったからかな。びっくりしたけど納得はできた。 


親の愛情を感じられないで育った子供はどんな手段を使っても親の関心を引こうとするって聞くけど、まさにそれの典型だよね。そう考えるとケヴィン的にはハッピーエンドなのかな… 


好き嫌いが別れる作品だとは思う。現在と過去が行ったり来たりしてちょっと見づらかったし。 
ただまぁ内容はどうであれ、公開された当時に思った『恐ろしく美しい少年』っていうのは間違ってなかった。 
エズラくんの美しさヤバい。もっと早く見ればよかったなぁ
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