踊る猫

ブルー・イン・ザ・フェイスの踊る猫のレビュー・感想・評価

3.4
傑作にして力作である『スモーク』を撮ったその勢いでもう一本作っちゃいましょう、というノリの映画。もちろん基本的には『スモーク』を観てから観た方が良い。その軽いノリをどう評価するかが分かれ目となる。好意的に捉えれば例えばそれこそこの映画を、登場人物として現れるジム・ジャームッシュが撮ったようなものとして考えられるのかもしれない。オフビートと。ただ、ジム・ジャームッシュにあるような「間」がなく、基本的にはひたすらセリフの応酬と固定されたカメラで撮られる映像が続くので結構退屈に感じられた。例外としてはインタヴューやドキュメンタリー映像の挿入が挟まっており、その点ではデジタルカメラやスマホ撮影に慣れたこちらに斬新に感じさせるが……スジがあるようでないような散漫な構成を受け容れられるかどうかが境目かもしれない。基本的に「スジ」に囚われてしまう私とは相性が合わず。残念。
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