dita

青春神話のditaのレビュー・感想・評価

青春神話(1992年製作の映画)
4.0
@シネ・ヌーヴォ ~台湾巨匠傑作選2018~  

台詞ではなく仕草や映像で伝える映画だった。飲み込んだ希望は逆流する水となり、行き場をなくした吸い殻やゴキブリ、孤独、焦燥、絶望は押さえても押さえても溢れ出す。晴れることのない空の下では差し伸べられた手に気付くことすら出来ない。

こんなクソみたいな人生、いつか抜け出してやると思っていた時代もあったけど、4階でいつも開くエレベーターを降りてみる勇気もなかったわたしは、時間が過ぎ命が尽きるのをただ待つだけの人間になってしまった。こないだの健康診断はオールA、まだまだ死ねないのなら明日は4階で降りてみようか。
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