巨匠レックス・イングラムがニース撮影所で撮ったホラーの古典。主役マーガレットはアリス・テリー、イングラムの妻である。人造人間を作ろうとするハッド博士をパウル・ヴェゲナーが演じている。冒頭のマーガレットが作る巨大な彫刻と倒壊事故が凄まじい。イングラムは彫刻家でもある。ハッド博士は催眠術でマーガレットを自在に操る。マッド科学者と美女という設定は今や定番である。古文書に記されている人造人間を作る秘法に必要なのが「白人、金髪の処女の血」だ。もちろん人種差別の問題は大きい。ところがブロンドの髪がトレードマークのアリス・テリーの本当の地毛はブルネットだった、実にややこしい。
後半の舞台はモンテカルロ、さらにハッド博士の古城へと移る。絶対絶命のマーガレットと助けに走る恋人アーサー外科医（イワン・ペドロヴィッチ）のカットバック、アクション、そして古城大爆発が凄まじい。本作は冒頭とラストが大崩壊である。
残念ながらプリント状態が悪く映像が不鮮明だった。採点は保留。
