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わたしを離さないでのeigajikouのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
4.2
本来なら受けるべき医療を受けられずに自宅で亡くなっている人も出ているのに、
オリンピック、パラリンピックを筆頭にした様々なイベントも行われている異常な世界となっている2021年の日本の夏。
私はこの感染爆発と医療崩壊した8月に家族がコロナに感染し自宅療養となり、看護する経験をした。もうこの体験をする前の自分には戻れない。自分がガンや脳梗塞になった時にはまた絶対元気になるぞと頑張れたけど、今回は自分は感染免れたが疲弊し消耗し抜け殻のようになってしまった。
そんな時に見る作品ではないなと思いつつ見てしまい案の定落ち込んでしまったが、キャストは豪華でそれぞれハマり役だし作品も抑制の効いた演出で素晴らしかった。
犠牲になる人たちがいることを見て見ぬふりしていることが現在の日本ではコロナ禍でますます加速している。恒常的に存在していた差別問題に加えてのコロナ感染拡大で生まれている差別。そしておそろしい命の軽視。
映画が描いた世界がリアルに胸に突き刺さる。(これから若年層の感染者も増えていきそうな状況が怖い)

公開された時見たかったけど当時住んでいた浜松では公開されず悔しい思いをした作品。なのに録画が塩漬けになっていて今頃やっと見たのだ(公開時に見逃すとよくやってしまうパターン)でもいま見るべき時が来たのだと思った。
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