LATESHOW

わたしを離さないでのLATESHOWのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.2
ノーベル賞きっかけで鑑賞。

キーラ・ナイトレイがややクドいかも。
アンドリュー・ガーフィールドは昔から苦悩する青年役が似合うなあ。

人は生まれた以上それぞれに役割があるのだろうが
それは各々自ら発見するものであり
はじめから他者が決定し一生を費やすよう命令するものではない。
謂わば「部品」として育成された彼らの、短い時間になんとか存在意義を見出そうとするもやがて粛々と使命を受け入れる姿の悲しみを
キャリー・マリガンが劇中数回静かに流す一筋の涙が
全て引き受けてくれた感じ。
感情を爆発させず
声も発さずに
悟った表情ですうっと流す涙。
この涙が映画の全てだ!と言い切りたいくらいだ笑

涙を流しながら彼女は夕日に燃ゆるある場所を見つめるのだが
かつてその場所で生まれた幾多の感情やあるいは起きた出来事を
思うと
非常に残酷なストーリーである。
そこにはシャーロット・ランプリングらが
認めるわけにはいかなかった
幾多の魂の交歓があった。
アンドリュー・ガーフィールドが
海辺に打ち上げられた
役目を終えた廃船で戯れるシーンが切ない。
其処にあった命を
なかったことにしないで。
彼女の涙がすべて。
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