ジョジー

わたしを離さないでのジョジーのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.9
公開時から気になりつつ今まで観てなかったのはクローンとして生まれた運命っていうのが悲しすぎて気持ちが落ち込みそうだったから…。
架空の世界の話にしても、クローンだとしても、命の重さは皆同じはず。自分たちの置かれた立場を知って尚、その運命を受け入れざるを得ない子どもたちを観ているのがつらかった。
学校という狭い世界しか知らない、キャシー、ルース、トミーの3人の目線から物語は紡がれていきます。男の子1人に女の子2人、3人の揺れる気持ちは言葉少なでも伝わってきます。
18歳になり提供を待つ間、学校を出て共同生活を始める彼ら。他の人たちと何ら変わりなく見えるけれど、線引きされた見えない何かに気持ちが押しつぶされそうで。
提供する側、される側、どこに違いがあるのか、どちらに本当の魂が宿っているのか…架空の世界とはいいつつ、命の重さを今更ながら考えさせられました。“終了”という言葉が頭の片隅から離れません。
キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイが台詞は少ないながら、表情、仕草など、何とも言えない哀しみが漂う空気感を出してて素晴らしかったです。
カズオ・イシグロの原作も読んでみたくなりました。訳本苦手なんですが…
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