「あなたの目になりたい」
本作はサッシャ・ギトリ監督の幻の映画とされており、日本でもフランスでもなかなか円盤化されず、劇場公開された時にしか見れなかったものが、この度フランス映画名作選のDVDボックス2に入っていたので鑑賞した。監督本人も出演しており、 ジュヌヴィエーヴ・ギトリ、エメ・クラリオン、マルグリット・モレノなど脇役にも注目したい。どうやら彼のドイツ占領下の時の唯一のフランス映画らしく、彼特有の会話劇がこの作品にも見られる。この作品は絶対にトリュフォーの作品に影響与えている。
さて、物語は彫刻家のフランソワは、ある美術展で若くて美しい娘カトリーヌに出会い、一目で気に入りモデルを頼む。2人は相思相愛になるが、突然フランソワはカトリーヌに冷たい態度で接するようになる。カトリーヌはフランソワの突然の変化を理解できずにいたが、彼のその態度にはある理由があった…と簡単に説明するとこんな感じで、ゴダールが敬愛するフランス演劇、映画界の巨人とされている彼の優美で切ないメロドラマとしてシネフィルをざわつかせている作品の1つだ。当時のギトリ夫妻が実際にカップルを演じているのは見所なのではないだろうか。てか、奥さんめちゃくちゃ美人でびっくりする。ギトリにこんな美しい妻がいたとは正直知らんかった。ロマンス映画としても結構よくできている。
