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幸福の設計のpikaのレビュー・感想・評価

幸福の設計(1946年製作の映画)
4.0
映画の印象は演出によって如何様にも変えることができると言わんばかりに、演出で魅せるという映画の醍醐味を楽しんで味わえる傑作。
始まった瞬間から最後までひと時も画面から離さずグイグイと引き込んでしまう華麗なる演出さばき、それだけでも面白い上にドラマも人間臭く端的で、映画を通じてキャラクターの喜怒哀楽を同調して堪能できるという丁寧さも最高!

シーン転換の誘導が巧みで、時間のジャンプや人の動きでブラックアウト、場面を音で煽ってカメラの位置で奥行きを生み、そのまま音楽へと流れるよう展開させる面白さなどめくるめく映像体験がとても楽しい。

夫婦の人物像や関係性を些細な言動で描写し、夫婦の転換期とも呼べる事件を軸にして普遍的な人間性を描きつつも、映画によって感情を転がされる面白さ、という一貫した娯楽性に敬服されながら純粋に楽しめて大満足できる逸品!
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