Danny

ローマの休日のDannyのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
5.0
【純粋】
【ファッションの表現力】

正直、見る前は不安でした。
言わずもがな名作。その後の作品にとことん影響を与え切り
今見たら退屈なのではと。

それはとんでもない愚問でした。


純粋過ぎるラブロマンス。
仕事、賭け、現実逃避。
互いに身分を隠しながら、それぞれ目的を達成する中で変化が。

とにかく、その心理描写には脱帽。
徐々に2人の気持ちが向かい合い
船上での騒動、別れまでの走りが
もの凄い滑らかで、ピュアで切ない。

グレゴリーの部屋での本心の会話…
送り際の涙…
「書く記事がない。」…
ラストシーンの会見、言葉を交わさずとも通ずる2人…
=登場人物に語らせずとも、鑑賞者に伝わるラストシーン。

ここに、映画ならでは表現力と
ローマの休日の、映画としての完成度の高さを感じる。

そして無視できないファッション描写。
ショートになり、袖を肘までまくり、ネッカチーフをつけて、
イタっぽさを交えながら
徐々に拘束から自由が描写されるのが素晴らしい。
カラーで観たい。

とは言え、
ロングヘアーアーニャの、ブラウスにハイウエストのAラインスカートが
どストライク。
私を殺しに来ている。
ずっとあれでも良かった。

白黒だから、想像力を余計必要とするのもそうだが
台詞回し、演技、ファッションなど駆使し、
自然に語る凄さに感動。

本当にみてよかったと、気分がよくなる。
素晴らしい、大好きな映画です。
Danny

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