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ローマの休日のkenのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
5.0
永遠の名作「ローマの休日」を久しぶりに再鑑賞した。いつ観てもオードリー・ヘップバーン演じるアン王女の可憐で愛くるしい美しさに惹き込まれる。そして、オードリーならではの気品と知性が王女役に相応しい。グレゴリー・ペックはハンサムで紳士的なアメリカンニュース社の記者ジョー・ブラッドリーがとてもお似合いだ。白黒映画で既に65年も経過しているが、映像もストーリーも全く色褪せることなく楽しませてくれる。

本作は何度か鑑賞していたが、いつ観てもアン王女とジョーの1日だけの愉快で素敵なロマンスに心を奪われる。ローマを舞台に世間を知らない王女が窮屈な暮らしに耐えかねて城を抜け出し、ひと時の冒険を試みる。そこで、思いもよらぬ出来事に遭遇するユーモアに溢れた作品である。

2人の出会い、ジョーのアパートでの会話、ヘップバーンカット、スクーター2人乗りのローマ観光、ダンス会場での警護官達との乱闘など、どれをとってもオードリーの魅力がたっぷり詰まっている。それは、全ての観客の目と心に焼き付いて永遠に忘れることの無い強いインパクトを与える。ロケ地ローマの街並みの魅力も映画の出来映えに影響を与えたことは疑いの余地が無い。

ラストシーンでアン王女が答える下記の言葉は何度聴いても感動的である。

Rome! By all means, Rome. I will cherish my visit here in memory as long as I live.

この言葉にアン王女のジョーに向けた全ての気持ちが込められている。決して振り返ることのない永遠の別れに深く心が痛む。2人は生涯に渡り心の中でお互いを愛し続けるだろう。長年に渡りファンの心を掴んで離さない「ローマの休日」は本当に特別な作品だと改めて思った。
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